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沖縄国際映画祭で好評を博した『カクテル・パーティー』がこんどは京都へ!レジー・ライフ監督「これは日本の問題だということを訴えたい」

2018年10月12日(金) レポート

10月12日(金)、イオンシネマ京都桂川にて、沖縄国際映画祭連携作品『カクテル・パーティー』が上映され、本編終了後の舞台挨拶にレジー・ライフ監督が登壇しました。本作は、沖縄出身の作家・大城立裕氏の芥川賞作品を映画化したもの。2016年の同映画祭「沖縄ヒストリカルムービー」カテゴリーで好評を博し、今回、京都での上映が実現しました。

MCを担当したのはアッパレード・木尾。まずはライフ監督が、「美しい京都の街にお呼びいただき、ありがとうございます。この映画を数年前に沖縄国際映画祭で上映しましたが、京都でもプレミアで上映していただき感謝しております」と挨拶します。

これまで数多くのドキュメンタリー映画を手がけてきたライフ監督ですが、「本作を撮ろうと思ったきっかけは?」ときかれると、「リサーチで沖縄に行ったとき、常に基地について対立が生まれていることを知り、自分自身どちらかにつくということができなかった。どこかニュートラルな視点はないかと模索していたところ、大城氏の本に出会い、彼の視点がとても中間的だったのでそこにインスピレーションを得ました」と回答。撮影を通じて「沖縄に対する視点がより深くなった」と語り、「沖縄の人々と米軍の状況は、私たちが想像するよりずっと深く複雑にからみあっており、それはアメリカという国の今の状況に似ている。そこに切り込むには、正直でフランクな視点が必要」と説明しました。

沖縄で上映された際は、非常によい反響を得たそうで、上映数時間前にチケットは売り切れ。上映後もたくさんの観客がライフ監督のもとに集まり、ハグをしたり感謝を述べたりしたとのこと。また、「アメリカ人の視点から沖縄の苦しみを描いた作品は見たことがない」「沖縄の状況についてアメリカと沖縄が会話するきっかけになれば」といった感想も寄せられたそうです。

アメリカでは主にアジア系の映画祭で上映されましたが、こちらもさまざまなリアクションが。「アメリカ海兵隊の方が、見たあとに私のところへ来られた。殴られる覚悟をしていたが、『私たちを正しく、恥にならないよう描いてくれてありがとう』と言われました。それが一番印象に残っています」(ライフ監督)。

今後も世界で上映していきたいというライフ監督が、「とくに見ていただきたい」というのは日本の観客。「沖縄のことは日々、ニュースで取り上げられているが、どこか遠い島で起きているという認識がまだあるように感じる。これは日本の一部、日本の問題だということを訴えたい」と強く主張します。もちろん海外でも「沖縄がどこか知らない」という人は多いので、「こういう状況があると知ってもらうきっかけになるよう上映していきたい」と力を込めました。

最後は「これから東京や沖縄でも上映される予定なので、ぜひ周知していただければありがたいです」と呼びかけたライフ監督。来月9日より、沖縄県那覇市・シネマパレットでの上映がすでに決まっているとのことで、今後さらに多くの観客が同作に触れることができそうです。

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