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次回開催構想も飛び出した「京まちなか映画祭 連携企画『HOT HOT GUMBO '92』」

2018年10月14日(日) レポート

10月14日(日)、よしもと祇園花月で「京まちなか映画祭」連携企画として『HOT HOT GUMBO '92』が上映されました。ニューオリンズ音楽の陽気なビートを導入しオリジナルな日本語ロックを創造、京都が生んだ伝説のバンド、ボ・ガンボス(1987年結成、1995年解散)。今も熱烈なファンから支持されている彼らが、毎年夏に行っていたフリーライブの「1992年版」を収めたものを上映しました。はじまりは四条川原町から京都大学西部講堂前まで、メンバーがトラックの上で移動しながら演奏するという、何ともユニークでワクワク感が高まるものです。

上映後、MCアッパレード木尾に呼び込まれたゲストの、バンヒロシさんとダイノジ大谷は興奮状態。大谷は、「めっちゃよくなかったですか? 観るの久々だけど、すげーよかったです」と挨拶もそこそこに今の心境を爆発させます。バンさんは「一瞬、自分を見ましたね」と当時参加していたとうれしそうです。バンさんは、ボ・ガンボスのボーカル、どんとさんの音楽仲間で、彼が以前に所属していたバンドローザ・ルクセンブルクも含め変遷を見てきたと話します。

大谷は「京都映画祭で音楽映画でイベントをやりませんか?」と持ち掛けられたのがきっかけで今日に至ると、上映会の成り立ちを説明。「音楽で京都のイメージがボ・ガンボス」と言い、大谷(当時16歳)はサイケなビジュアルが特徴的なボ・ガンボスの画のパンチ力にノックアウトされ、「どハマりしたのは『HOT HOT GUMBO '92』ですね」と、バンドとの出会いを思い返していました。

ボーカル、どんとさんのMCも魅力を大谷は分析。「普段は副業で漫才でやってるんですけど」とひとボケ挟み込んでから、「全ての芸はリズム芸。リズム気持ちよくないと笑えないんですよ。どんとさんのMCのリズムは落語に近い」と持論を打ち出します。「メンバー紹介の所なんか最高! 『オーイエー』の挟み方とか、人が気持ちよくなるリズム」と熱っぽく語り、話芸のリズムに活かそうとメモを取り練習したほどに、どんとさんのMCぶりに惚れ込んでいると明かしました。

トラックがゴール地点の京都大学西部講堂前に到着したあたりのシーンに触れ、祝祭ムード溢れるライヴに熱狂していた人々について「ファンだけではなくて、昔から近所に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんも寄って来てる」とバンさん。年齢に関係なく愛されるバンドだったことが、とてもよく伝わります。バンさんは、どんとさんは「そんなんでええんちゃうのと、いつも他人ごとぐらい」な距離感を保っていたキャラクターだったと言います。そんな風に素っ気なく装いながらも、世話焼きで「何度か助けられたことがある」と感謝するバンさん。横で大谷が「ものすごく愛の人、というような印象を受けますね」とコメントすると、バンさんは深く頷いていました。

まだまだしゃべり足りない2人の熱気漂う中、終了の時間が迫ってきました。大谷は名残惜しそうに「毎年やってもいいと思うんだけどな。爆音で、声を出して応援上映みたいにやりたい」と、次回開催プランを提案。バンさんは、今日の上映会についてどんとさんの奥様からメッセージをもらったことを報告。最後の言葉が「20周年に向けて」と書かれていたとのこと(どんとさんは2000年に他界されています)。2年後に向け、「来年、再来年とイベントができたら」とバンさんは考えているそうです。

「1989年、平成元年にデビューしたバンドの映像を、平成最後の年にこうしてみなさんと観れてすごくよかったと思ってます。僕、救われたんで、この映像には。どんとが居てくれたから、どんとが『大丈夫』って言ってくれたような感じがして」と観た当時の感情が蘇ってきたと大谷。「みなさんも今日の感想を書いてくれたら、超うれしい」と、『HOT HOT GUMBO '92』の魅力が現代でも拡散されるのを願っていました。

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