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世界観に癒やされるアニメ6作品を上映『ドワーフのコマ撮りアニメーション』

2018年10月13日(土) レポート

10月13日(土)、T・ジョイ京都にて、ストップモーション・アニメーション制作スタジオ、ドワーフのコマ撮りアニメーションおよび2Dアニメの6作品が上映され、上映後の舞台挨拶に声優の汐宮あまね、天津・向、桜・稲垣早希、合田経郎監督が登壇しました。MCは、アニメ評論家の藤津亮太さんが務めました。

数々のキャラクターやコンテンツを生み出し、卓越した技術力のコマ撮りを中心とした映像作品で、国内外で評価されるストップモーション・アニメーション制作スタジオ、ドワーフ。この日は、合田経郎監督作品の5作品『モリモリ島のモーグとペロル』、『こまねこ-はじめのいっぽ-』、『By Your Side』、『とう と きょう』に加え、青松拓馬原作、加藤道哉監督作品『ニクいよっ!カルビくん』も上映されました。

「どの作品も個性的な世界観やキャラクターにひきこまれますが、アイデアはどんな風に思いつくのですか?」との質問に、合田監督は、「最初に上映した『モリモリ島のモーグとペロル』は、姪っ子がご飯を食べているところを見て、その一生懸命な食べっぷりを見ていいなと思って」と身近なところから発想したと明かしました。この作品の大ファンという汐宮は、「私、性格がペロルに似ているんです!」と告白。「ペロルみたいにガツガツしたり、たまに人に迷惑をかけたりするところとか。モーグに助けられるところは、救われますね」と自身と重ねて感情移入できたことを語りました。

「食べ物が本当に美味しそうに描かれていて。飯テロです(笑)」と天津・向も絶賛。素材は、食品サンプルなどに使われているものや粘土でできているということで、「ハンバーグの断面がリアルですよね!」とMCの藤津さんも感想を述べ、「コマ撮りという手法でどこまで美味しそうにできるかに挑戦したので、そう言ってもらえるとうれしい」と合田監督も笑顔を見せます。

『こまねこ-はじめのいっぽ-』がお気に入りという稲垣早希は、「年齢的にも母性本能が溢れ出まして(笑)。子どもなりに大人を楽しませるところとかがとても愛おしくて。雷が怖くて泣いてしまうところとか、抱きしめてあげたい気持ちになりました」と感想を。続いて、「制作はどれくらいかかるんですか?」というみんなが気になっている質問に答える監督。「朝9時にスタジオに集まり、だいたい22時くらいまでやって5秒分ができあがります」と明かすと、出演者は揃って「えーーー!!!」とリアクション。「13時間かけてったった5秒?!気が遠くなりますね…」と一同驚きを隠せません。「NGが出た時はスタジオが真っ暗になったんじゃないかというくらい絶望感がただよいますよ(笑)」と監督。「スタッフが必死に説得してくるけど、やっぱりそこは…やりなおしてもらうこともあります」とのこと。繊細なクレイアニメの制作現場が垣間見れました。

さらに、『とう と きょう』に描かれる自転車のシーンなどコマ撮りについては、「これはSNSなどには書かないでほしいんですけど…とここでしか聞けないレアな撮影方法を詳しく解説する場面も。お客さんも興味深く聞き入っていました。

最後に上映された作品の『ニクいよっ!カルビくん』は、加藤道哉監督の作品。「ショートで見やすいですし、わかりやすい擬人化がいいですよね。ずっと見ていられる楽しさ。声優も豪華で」と感想を述べたあと、「僕はさっき京都市場で魚の良さを語るイベントに出演してきて、今は肉を語っています」と向。合田監督は、今後は今までとは違う若い監督の作品もどんどん作っていきたいと、ドワーフの今後の展望を語りました。

「1日かかって5秒仕上げるという根気がいるクレイアニメの作業ですが、一番楽しさを感じるのはどんなところですか?」という質問に合田監督は、背景をつくる人、人形をつくる人、照明さん、人形を動かすアニメーターなどいろいろな人たちとひとつのものを作り上げるのが楽しい、自分が考えたものだが見たことのない世界が見られるのがおもしろいと醍醐味を語りました。「世界観に魅せられてしまいますよね。是非僕たちを声優に起用してください!」と向、稲垣、汐宮の3人は声優をやりたいとアピール。「よしもとさんの力をお借りしてぜひ!」と監督も好感触の返事を。今後の作品で3人の活躍が見られる日が来るかもしれません。

最後には、18時から元淳風小学校にてコマ撮りアニメーションの上映や体験型ワークショップが開催されることも告知され、気になった人は是非訪れてみてはと案内。映画と連動したアート体験もできる京都国際映画祭の魅力を感じた時間となりました。

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