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特集上映 宮川一夫特集「朱雀門」トークイベントを開催！

2018年10月12日(金)　レポート

10月12日（金）、よしもと祇園花月で、特集上映 宮川一夫特集として「朱雀門」
が上映、トークイベントが行われました。MCのケツカッチン・高山が、中島貞夫監督、宮川一郎さん、宮島正弘さん、太田米男さんを呼び込みます。

中島監督は朱雀門をスクリーンで見るのは初めてとのこと。今日は期待しながら見ていたとのことですが、デジタル化した影響か画像が少し思ったのと違っていたそう。監督は初めて宮川さんと話したときの思い出のほか、戦後の映画史についても言及。「戦後映画の歴史の中では、映像という意味では宮川さんが中心で動いていたといっても過言ではない」とその功績を讃えました。

続いて、今回の特集を組んだきっかけについて、太田さんが今年は宮川一夫生誕110年の記念の年で有ることに触れ、実は生誕100年のときにも計画があったと明かします。そして、今年ニューヨークの近代美術館で宮川一夫の特集が組まれたことについても言及。カメラマンで特集されることは異例であると話し、海外でこれだけ評価されているのに、日本でももっと見直してもらいたいという思いを持ったとのこと。上映作品については、文化博物館で宮川作品が見られるようになっていることに触れ、そちらで見られないものを選んだことも明かしました。

長男である宮川一郎さんは、父親について「四六時中映画です」と話します。そして亡くなる直前の病院でのエピソードを明かしたあと、「その時点で父親と考えなかった、亡くなるまで映画カメラマン」だったと振り返り、一番大事なことを遺してくれたと思っていると語りました。そのほかにも「やったことないのになぜ考えるのか、やって失敗してもいい」と言われたことを振り返り、今も心に残っていると話しました。

長年助手を務めていた宮島さんは、宮川さんといっしょに仕事をするようになって会社が倒産してしまったと話しますが、そのせいでかえって宮川さんと話せるようになってよかったような、と笑わせます。そして宮川さんと町で出会ったときのやりとりを披露したあと、「一度も怒られたことがない」と話すと、太田さんは「ものすごく怒られたことがある」と告白。撮影現場でのミスで怒られたそうですが、「絵を作ることの大事さがいつもあった」と太田さん。宮川さんが「僕は同じカットは絶対に撮らない、どこかに違うものを加えないと自分をマネていることになる」と言っていたという貴重なエピソードも明かされました。

それから宮川作品をこれからどうやって残していくか、さらにニューヨークで上映された際の観客の反応についてなど、トークは幅広く展開。宮島さんは、早くしないとフィルム自体がバラバラになってしまうと危惧。100年後の人たちにも見てほしいと思って修復していると語りました。

最後に中島監督は宮川一夫について、ユーモアがあった、人間の幅が広い方だったとコメント。宮川さんは、今日作品を見てもらってよかった、フィルムの状態がこのままでいいのか考えていただきたいと話しました。宮島さんは、長い間宮川先生に教えてもらったことを今返すときと話し、「世界的に有名な作品を未来に残さないといけない、残したいと思ってやっています、がんばります」と声を上げると、会場からは拍手が起こりました。太田さんは映画祭をいい映画を見る機会にしていきたい、そして多くの人がいい映画を見ようというのを進んで応援していきたいと締めくくりました。