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林海象監督も登壇! デビュー作『夢みるように眠りたい』を大江能楽堂で上映

2018年10月14日(日) レポート

10月14日(日)、大江能楽堂でサイレント/クラシック映画企画として『夢みるように眠りたい』を上映。林海象監督が登壇し、当時の貴重なエピソードなどを語ったほか、活動写真弁士の坂本頼光さん、演奏の天宮遥さんが作品に色を添えました。


まずMCの清水圭が登場し、3人を呼び込みます。林監督はこの作品が、サイレント/クラシック映画として上演されることについて「プログラムを見たら、出てる人も監督も全部死んだ人、そこに生きて入っているからそれがとても光栄」と話し、笑いを誘います。そして、27歳の時に取った作品で映画監督になりたいという夢がかなった映画と振り返り、それをこの形でやっていただくのがとてもうれしい、最後まで楽しんで見ていただければ、と話しました。

坂本さんは、映画のふるさと、京都の能楽堂で、弁士に憧れたきっかけの一つである作品ができるとは思わなかったと感慨深げ。この作品が林監督のデビュー作であるとともに、佐野史郎さんの俳優としての映画デビュー作でもあることも説明。天宮さんは、サイレントでありながら要所に音楽が入っていることなどを伝えました。

そして監督がスクリーン前に、舞台向かって右手に坂本さん、左手に天宮さんがスタンバイ。まずは坂本さんから佐野史郎さん演じる私立探偵・魚塚甚に老婆から事件の依頼があり、それがいにしえの活動写真につながっていくというミステリータッチのファンタジー的な作品であることが説明されます。

照明が落とされると、フィルムがスタート。坂本さんの声と天宮さんのピアノが響き始めると、すぐに能楽堂全体が作品の中に引き込まれました。モノクロのフィルムに映し出される役者の表情や風景を的確に描写したかと思うと、時にストーリーテラーとして、また時には主役に、そして脇役にと作品に命を与える坂本さん。その声とフィルムに寄り添い、流れるようにメロディを紡ぎ続ける天宮さん。声とピアノ、そしてフィルムが1つになり、ライブで完成していく作品は、すばらしいのひと言でした。


作品が終わると能楽堂全体が大きな拍手に包まれます。林監督はすごくいい!と絶賛。活弁がますます良くなっていることに加え、ピアノの表現力に驚いたとコメントします。それを聞いて、坂本さんは音楽と映像に助けられたと謙遜。天宮さんは「坂本さんの語りと監督の熱い眼差し、大江能楽堂の魅力、京都国際映画祭と素晴らしい要素がいっぱい詰まっていた」と振り返りました。そこから、この作品はすべて1テイクで撮影していたこと、撮影が始まった時点でキャストがまだ決まっていなかったことなど、裏話も続々と飛び出し、トークは大盛り上がり。最後は林監督が、弁士に当てた新しい短編を撮りたいと明かすと、会場からは改めて大きな拍手が起こりました。

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