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国連の根本かおるさん、ジェフリー・ブレーズさんも登壇! PepperのプログラミングとSDGsを同時に学ぶ特別教室を開催

2018年10月13日(土) レポート

10月14日(日)、イオンモールKYOTO Kotoホールにて、ワークショップコレクションin京都国際映画祭のコンテンツで『SoftBank Robotics presents Pepper プログラミング特別教室 for SDGs』が行われました。このイベントは、ロボットのプログラミングを通じて未来の地球について考えようというもので、MCにグランジ・遠山、授業サポートにランバンプス・小林、SDGs講師にランバンプス・寺内、そしてプログラミング講師によしもとロボット研究所の山本泰之が出演しました。

学校のチャイムが鳴り1時間目がスタート。遠山の「起立、礼」の号令で授業が始まりました。1時間目は「Pepperプログラミング特別教室 for SDGs」。ロボットを動かすプログラミングを学びながら「プログラミング的思考も養う」という意図があります。2020年より小学校で必修となるプログラミング教育は、プログラムを作る時の考え方=プログラミング的思考が重要であると山本。IT化され、ますます社会が複雑になっていく未来に備えて、若いうちから慣れていくことが必要だと説きます。

プログラミングを学ぶ前に子どもたちに「おとなになった時にやりたい仕事」と尋ねました。すると、科学者、キャビンアテンダント、薬剤師、パン屋さん、サッカー選手など、なりたい職業が次々と出てきました。その一方で、「これからはますますAIが活躍する時代」と山本。これまで人間がやっていた仕事を、ロボットやコンピューターが担うようになると説明します。それを受け、「お笑いは一番いらなくなるのでは?」と危惧する寺内。山本は「AIがウケる単語を導き出してネタを作ることも技術的には可能」と話し、すでにAIによる作曲も行われているエピソードなどを語りました。

そして「ロボットやコンピューターにやらせたいことを覚えさせることがプログラミングです」と特別授業の核心に迫っていきます。まずは、カレーを作る手順でプログラムを考えることにしました。料理の段取りや手順がプログラミングとよく似ていると山本。そういうふうに考えると、プログラミングも身近なものに思えてきます。

1時間目の後半は、クイズを作るプログラミングを学びました。普段、何の気なくやっているクイズですが、そのメカニズムを説いていくと様々な段階があることが分かります。今回は、プログラミングしたクイズをPepperに出題してもらいます。専用のソフトで「クイズを出す」というプログラムを作っていったのですが、仕組みが分かると飲み込みの早い子どもたち、遠山と小林、寺内のアシストを受けながら、専用ソフトで組み立てていきました。

Pepperにプログラムを送信し、いざ出題。参加した兄妹からの出題は「僕たちのお母さんが好きな飲み物は何?」で、AとBの2択クイズをみんなの前では発表しました。パソコン上で自分たちが作ったプログラムがPepperからアウトプットされるという貴重な体験をした子どもたち。みるみると目が輝いていきました。

2時間目は教員の免許を持っている寺内が講師となって『SDGsってなに?? SDGs 17の目標を学ぼう~』を展開しました。SDGsとは何かを学ぶ前に、まずは自分の住んでいる世界は10年後にどうなってほしいか、プリントに書いてもらいました。

「常に面白いことがある世界」毎日いちごが食べられる世界」「技術が進歩して、なおかつ伝統的な行事も残っていること」「全部自動」「外来種が元いた国に戻り、在来種が戻る」
「緑がたくさんある」「地球温暖化が止まる」「戦争をしない」「物が安い世界」「首都を取り戻す!」「伝統文化がまだみんなに愛されている世界」と、様々な理想が浮かびました。芸人チームにも尋ねると、「サッカーが好きなので、日本がワールドカップで優勝している世界がいい」と小林、「みんなが笑顔で楽しく暮らしたいと思う」と遠山。子どもも大人も自分たちが住んでいて心地よい世界、住みやすい世界を思い浮かべました。

続いては、自分たちの身の回りではなく、海外のお魚、かぶとむし、総理大臣など、他人や動物、虫などの気持ちになって考えてみようと提案。「10年後もお魚がずっと生きていける世界」「カブトムシの気持ちになって、10年後は住みやすくなっていてほしい」「魚の立場で、捕らえられることのない世界」「総理大臣の立場で、世界統一」「海外の子どもの立場で、不公平がなくなるといい」「ご飯がいっぱい食べられる世界」「もっと勉強できる世界」「かぶとむしが食べることのできる木が欲しい」「食料がちゃんとある世界」と、またまた様々な理想的な世界が描かれました。

寺内は、「今、みんなに考えてもらったように、これからどんな世界になったらいいか、ということを考えたものが、このSDGsの17の目標なんです」と解説。17の目標をピックアップしながら、1日200円で生活せざるを得ない人が世界には何億人といること、20年前に比べて魚が減っていること、10歳未満の子どもが労働せざるを得ない状況にあることなど、詳細に世界で起こっている様々な社会問題について解説しました。

一人の女の子は「17の目標が気になる」と「パートナーシップ」の項目をチョイス。「いいところに目を付けた」と寺内、「1から16の目標は一人で頑張っても達成できません。仲間とパートナーになって、みんなで目標に向かって走り出そうというのがこのパートナーシップなんです」と話します。「17の目標は壮大すぎて自分たちでできるかなと思いがちですが、目標を意識したら達成できます」と、決して遠い世界の話ではなく、身近な存在であることもアピールしました。

17の項目は2030年に達成することを目標としています。このように、目標を達成するためにプロセスを考えていくことは1時間目に習ったプログラミングと同じことです。

そこで3時間目は、「SDGs17の目標をプログラミング思考で考えていこう!」をテーマに、クイズプログラミング「私がした“いいこと”は何でしょう」を学びました。子どもたちの”
いいこと“を聞く前に、小林に聞いてみました。それは「電車とホームの間に落ちたサラリーマンを助けたこと」でした。

最近したいいことを2択で答えるクイズは、問題の内容もさることながら、効果音を入れるなど1時間目のプログラミングよりさらに進化したものに。1度クイズを作っているので子供たちはどんどん応用していきます。複雑に作り込み、ユーモアもたっぷりでした。

「僕たち兄妹がしたいいことは何でしょう」「A募金した Bお母さんの命を救った」というクイズでは、答えはA。「募金した」という行動は、SDGsの17の目標では「1貧困をなくそう」「4質の高い教育をみんなに」などに関わってくると寺内。「青山家がリサイクルをするものは何でしょう?」「Aペットボトル B新聞紙」正解は「A」というクイズでは、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rに関わり、「11住み続けられるまちづくりを」「14海の豊かさを守ろう」といったSDGsの目標に該当すると説明。そんなふうに、毎日の生活の中で実はSDGsが提唱する「世界を変えるための17の目標」に取り組んでいることも実感してもらいました。

3時間の授業を終えると、国連広報センター所長の根本かおるさんと、国連ニューヨーク本部国連広報局アウトリーチ部のジェフリー・ブレーズさんが特別に登壇されました。

「今日はワクワクしながら授業を拝見しました。SDGsは遠い世界のことのように思うかもしれませんが、Pepperのプログラミングと一緒にSDGsのことを考えたのは、4の『質の高い教育をみんなに』を実践していることなんです。また、暮らしの中でゴミを分別したり、募金をすることも世界をよりよくすることにつながっています。2030年がSDGsのゴールですが、その時代にはみんなが社会を動かす中心的な世代になっているので、これからも関心を持って勉強していってください」とご挨拶をされました。

ジェフリー・ブレーズさんも、「SDGsの勉強はいかがでしたか? 皆さんが勉強をしている姿を見て、僕は楽しかったです。17の持続可能なことについて勉強した中で、一番好きなSDGsはありますか? 僕は13番の『気候変動に具体的な対策を』と14の『海の豊かさを守ろう』が好きです。僕は海に潜ったり、水泳が好きなので、きれいな海であることを願っています。日本の海もきれいにしましょう! 目標はいろいろありますから、これからもたくさん勉強しましょう!」とエールを贈られました。

ロボットのプログラミングとSDGsを学んだ3時間、子どもたちにとって貴重な経験となりました。

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